●JHC板橋会ピアカウンセリングセミナーの目的のねらい
ピア(peer)という言葉は、「仲間」「対等」の意味で、ピアカウンセリングとは、共通の経験と関心に基づいた、仲間同士の相互支援活動という意味です。同じ経験を持つ人が相手に対する傾聴と情報提供を行うことによって、相手が問題を自分で解決していくように手助けをするというピアカウンセリングは、従来の専門職による支援とは異なる独自の機能です。自分のそれまでの経験が生かされ、自己肯定感を得ることになります。また、支えるつもりだった自分が支えられ、支えあうという関係が生まれてくるのです。
●ピアってなぁに?
ピアとは「対等」「同僚」「仲間」という意味を表す言葉です。「ピアならみんな同じ」でしょうか?同じ症状がなければピアではないのでしょうか?メンバーとスタッフはピアではないのでしょうか?そんなことはないのです。
人間はひとりひおち違う人生、立場、それぞれの体験を持っているのが当たり前。でも、何かひとつの共通の体験、関心、課題があり、ピア(対等)な立ち位置で何かを共有して、助け合おうとお互いが思う時、その問題でのピアになれるのです。
このように、人々と助け合える関係性を目指す方向を示しているのが「ピア」だと考えます。
違いがあるからこそ、異なった経験、考え、気持ちなどを分かち合うことで新しい情報交換ができます。それぞれの得意なことを活かしてグループを運営できます。ピアカウンセリングは、たとえば、がんの回復者の患者会や子育てをしているお母さんのグループ、高齢者のピアサポートなど、様々な人生で直面する課題ごとに必要とされ、行かされる支援方法です。
●ピアカウンセリングセミナーのすすめ方
誰もが初めての人に会ったり、初めての場所に行くことは緊張するものです。これから会う人たちはどのような人達だろうか、自分のことを歓迎してくれるだろうか、どのように過ごせるだろうかなど、未知のことへわくわくするような期待と少しの不安な気持ちが同居するものです。皆さんが安心して参加できるように、次の1~10のことを大切にすすめていきましょう。
01.参加者が平等に時間を分かち合う、時間配分形式・役割分担形式をとります。
①ミーティングの時間は限られていますので、時間も分かち合いましょう。
②リーダー、タイムキーパーなどグループに必要な役割を交替して分担します。
02.セルフヘルプグループミーティングは、安心して、自由に、ありのままを話すことができる場です。
他の人の話は誠実に聞き、途中で割り込んだり、さえぎったりしないようにしましょう。避難、中傷、説教、助言などはしません。
03.グループの始まりと終わりには、短い気分調べを行います。
ひとりひとりの気持ちを大事にしながら、グループをすすめていきます。グループの終わりには、感謝の気持ちを伝えあいます。
04.グループのみんなが見えるところに時計を置きます。
時間を守ろことに協力してもらいやすくなります。
05.休憩は、グループの参加者と相談しながら適宜とります。
休憩を入れることで気分転換し、集中力を取り戻すことができます。
06.椅子のみを使用し、参加者が輪をつくります。
07.会場に花を用意するなど、安心して参加できる雰囲気づくりをします。
08.温度や風通しなど、参加者と相談しながら、会場の環境に気を配ります。
希望を遠慮なく出し合いましょう。
09.名札を用意し、お互いに氏名や所属がわかるようにすると、初対面同士でも話しかけやすくなります。
10.グループを始めるときには、最初に、グループ運営の指針や、ピアカウンセリングの基本原則など、安心してグループづくりに必要な約束ごとを確かめ合うことが大切です。
かくにんすることで参加者の協力がえられます。
グループの方針、目的と自分のニーズがあっているか、参加者自身が確かめられます。